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大沼 (相模原市) : ウィキペディア日本語版
大沼 (相模原市)[おおぬま]

大沼(おおぬま)は、神奈川県高座郡相模原町および相模原市の旧大字名。現在の同市南区の北部を占める。
元は同郡大野村の大字淵野辺の一部であり、1941年昭和16年)に同村が合併により相模原町の一部となった際に独立した大字として起立した。1970年(昭和45年)以降、住居表示の実施された区域が当大字から分離するにつれて順次縮小し、1997年平成9年)に消滅した。
「大沼」の名は当地域内にあった沼、およびその付近に開かれた江戸時代前期の新田集落(大沼新田)に由来する。
== 地理 ==
元の大字大沼は現在の南区の北部に位置し、旧大字では北東方向は八王子道(神奈川往還)〔当地域では一般に(国道16号の)「旧道」と呼ばれるが、国道16号は前身の二級国道129号指定当初から現在のルートであり、この街路が国道であったことはない。また「神奈川往還」の呼称は当地域では一般的ではない。〕を境に古淵(1952年までは大字淵野辺の一部)と、北西方向では現在の中央区との境界で淵野辺と、南西方向は当麻(飛地)と下溝、南東方向は鵜野森と隣接していた。
全域が相模原台地の「上段」(相模原面)上にあり、ほとんど平坦であるが、大沼神社(南区東大沼二丁目)付近がわずかな窪地となり、「大沼」と呼ばれる沼があった。これは地下の宙水に由来するものであり、全般に地下水位が非常に深い台地上面にあって、この周辺は浅い位置で地下水が得られる。相模原台地上にはこのほかに「小沼」(南区若松二丁目)、「菖蒲沼」(中央区淵野辺五丁目)、「鹿沼」(中央区鹿沼台二丁目)など、宙水に由来する大小の沼が散在していたが、公園内の池として整備された鹿沼以外はいずれも1970年代までに埋め立てられ消滅した。大沼も20世紀前半には水田として利用されていたが、1960年代後半以降、埋め立てられ宅地化した。大沼から流れ出す川は台地上面に浅い谷を穿ち相模大野方面へ流れて深堀川となっていたが、現在は暗渠化されている。
大沼神社の西側を南北に走る街路(長久保通り。古くは相州通りと称した〔『相模原市史 第二巻』 p.270〕)がかつての大沼新田の集落を抜く通りであり、周辺の宅地化の進行や道路の拡張・新設にもかかわらず地割などの面で新田集落の面影を残す。当地域は周辺の鉄道駅のいずからも離れていたために市街化の波及が緩慢で、耕地や背後の雑木林が多く残されている。逆にそのことから1980年代後半にJR東日本横浜線古淵駅1988年開業)に近い当大字北部で大規模な区画整理事業が行われた例を除いて全域で虫食い状に宅地開発が行われ、スプロール化が著しい。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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